不整脈のカテーテル治療が注目を集めています。
心拍や脈拍のリズムが乱れている状態のことを指す不整脈。潜在的にこの状態を抱えている人は多いといわれています。
虚血性心疾患や先天性心疾患といった原因でなることもありますが、はっきりとした原因がよくわからない、というケースもよくあります。そのため、自覚症状のないまま日常生活を送っているという場合も少なくなく、あるい突然倒れる突然死をもたらすこともあります。
そんな不整脈はさまざまな種類に分類されますが、その中でももっとも大きな分類となっているのが「頻脈性不整脈」です。
この頻脈性不整脈の対策として注目されているのがカテーテル治療なのです。
この不整脈のカテーテル治療は「アブレーション治療」とも呼ばれています。「アブレーション(ablation)」とは「取り除く、切除する」といった意味で、文字通り不整脈をもたらしている血管内の回路を切除することで不整脈を治療するものです。
不整脈のカテーテル治療では、直径２～３mm程度のカテーテルを挿入していきます。挿入する場所は首や足の付け根といった太い血管から。それを心臓まで挿入していきます。カテーテルの先端には電極がついており、心電図を計測することができるようになっています。それによって心臓部の以上をチェックすることができます。
それで異常が発見された場合はそこにカテーテルの電極から高周波の電流を流します。それによって不整脈の源となっている細胞を死滅させることができるのです。
心臓に電気を流すなんて大丈夫なのか、と心配する人もいるかもしれませんが、電流の影響が及ぶのはほんのわずかの範囲内、直径、深さともに５㎜程度となっています。そして流す時間は１分以内。
この不整脈のカテーテル治療が行われる以前の不整脈治療と言えば胸を切開し、直接心臓を扱いながら異常な部分を切除するという方法がとられてきました。しかしこれでもあまりに患者に与える負担が大きいものとして問題視されてきました。そんな問題点を克服するために開発されたのが不整脈のカテーテル治療なのです。現在では成功率、安全性の高さも実証されており、もっとも優れた不整脈治療として高く評価されている状況です。
手術全体にかかる所要時間は３～６時間程度。局部麻酔で行うことが可能となっています。
このように、不整脈のカテーテル治療は患者に負担をかけず、高い効果を発揮できる治療方法です。医療現場における不整脈治療の主役といえる存在としてこれからも多くの不整脈を治療していくことでしょう。
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